Column

2021/03/26
落合晴香
「浮いた春」レポート

落合さんの作品は、紙に描いた筆跡を切り取り、コラージュによって再構成してドローイングを制作しています。また、出来上がったドローイングをさらに写真に収め、編集を加え、イラストレーションと写真の中間表現を試みています。
本展示では、写真に収める前の過程の、いわゆる「原画」を展示しています。これは落合さんの展示では初めての試みです。

原画を写真に収めて編集を加えた作品では、コラージュされた紙の影がバキッと強く表現されているのに対し、本展示の原画作品はギャラリーの照明で落ちる影なので、影の色が薄く全体的に柔らかな印象となっています。
当店サイトでの本展示告知ページの画像を見ていただくと違いがよくわかるかと思います。

コラージュされた紙はキャンバスから浮くように貼り付けられているので不思議な浮遊感があります。遠目から見ると平面に見えるのですが、近づくと浮いたり重なったりしていて立体感があるのです。

見る角度によっても落ちる影が変わるのでぜひ動き回ってご覧ください。会場では写真撮影がOKなので、自分の好きな角度を見つけて撮影してみてくださいね。影によって印象が変わるので、飾る場所や時間帯によってもきっと変化があるはずです。自分の部屋にあったらどうだろうと想像してみるのも楽しいです。

ギャラリーの壁をキャンバスとしてコラージュされた作品には蝶々が飛び交い、野原を眺めているような感覚があります。真横から見ているのか真上から見ているのか分からない不思議な野原。

キャンバスの作品は会場にて販売しています。売約済みの作品を除いて、会期終了後には当店のウェブショップでも販売を開始する予定です。ウェブショップ限定で作品の追加もありますのでお楽しみに。

国立の大学通りはいま花盛りです。桜の時期の大学通りは夢の中のようだと毎年思います。この時期にぴったりの「浮いた春」にぜひ足を運んでください。

落合晴香「浮いた春」
2021年3月20日[土]- 4月4日[日]/ 月曜・火曜定休
在廊日:3/20、21、24、26、27、28、31、4/2、4

本展示の会期中、Kunitachi Art Center 2021を開催しています。国立市内のアトリエ・ギャラリー・店舗15箇所の参加するイベントです。詳細はKunitachi Art Center特設サイトを御覧ください。

 

スタッフ:イイヅカ

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