Column

2019/11/23
「食と農を編集する」-山形食べる通信とbeni.-
レポートとピクルス紹介

株式会社まんまーるは山形県鶴岡市を拠点に活動する編集会社です。代表の松本典子さんはもともと東京で編集の仕事に携わっていました。

2015年に食べ物付き情報誌「山形食べる通信」の発行からスタートし、2019年には活動の軸を「ピクルスの製造」へとシフト。まったく異なる仕事に変わったように感じますが、そこには山形の「食と農を編集する」という意識が存在しています。

山形県は日本海と蔵王連峰、出羽三山に囲まれ、海・里・山の幸にめぐまれた土地です。また、地域に伝わる野菜や果物が日本で一番多く残っており、その数はおよそ160種類にも及ぶとのこと!さらに、一年の半分近くが雪に覆われるため、野草や山菜、きのこといった、野生を食す知恵が発達してきました。

その一方で、少子高齢化の進行では全国でワースト5。さらに一次産業に携わる方の多くが、子どもには別の仕事に就いてほしいと呟きます。今まさに、様々な文化が失われつつあるのも事実です。

「山形食べる通信」は、情報誌と食べ物をセットでお届けするサービスです。2ヶ月に1度、1~2つの食材にフォーカスしてご紹介。その「食べ物」と生産者の想いやストーリー、おいしい食べ方を紹介する「情報誌」をセットにしてお届けします(現在は年4回の季刊となっています)。つくる人と食べる人、都市と山形の間に、やさしくて温かい「つながり」を結ぶことで、山形の魅力をみんなで楽しく発見する試みです。

今展示では、「山形食べる通信」のバックナンバーを販売しています。特集されている野菜やフルーツを使用したピクルスも合わせて販売していますので、ぜひ合わせてご覧いただきたいです。どんな人がつくっているのか、どんな食材がつかわれているのかを知ると、「食べる」ということがもっと豊かな時間になります。

ここからは会場で販売している「beni.」のピクルスをご紹介していきます。

まずはbeni.で一番人気だという「舟形マッシュルームのピクルス」

山形県舟形町で生産された有機栽培のマッシュルームを、ハーブの香る洋風ピクルス液で漬け込んでいます。 マッシュルームのうまみがギュッと凝縮されていて濃厚な味わい。唐辛子がピリっと効いた、ワインや日本酒に合うお味です。

「だだちゃ豆のピリ辛ピクルス」

朝どれのだだちゃ豆をピクルスに。レモンとブラックペッパーを効かせた大人の味です。枝豆といえばビールですが、このピクルスは白ワインもおすすめ。さやからも美味しい出汁が出るそうで、さやごと漬け込んでいます。お召し上がりの際はさやから出してくださいね。

「焼畑あつみかぶの洋風ピクルス」

江戸時代から焼畑農業で栽培される伝統野菜である焼畑あつみかぶを、ローズマリーが香る、甘さ控えめのピクルス液で漬け込んでいます。かぶの漬物というと甘酢漬けがぱっと浮かびますが、甘すぎて苦手という方にぜひお試しいただきたいです。ピンク色はかぶ由来の天然の色。とてもきれい。

「生きくらげの洋風ピクルス」

希少な国産(山形産)のきくらげを使用したピクルス。よく食べるきくらげは中国産で乾燥させたものが多いですが、このピクルスは生のまま漬け込んでいます。きくらげというとコリコリ食感をイメージしますが、これは肉厚でぷるっぷるです。酸味の効いたお味なので、すっぱいのが好きな方にぜひ。日本酒にもばっちりです。

「遊佐パプリカの洋風ピクルス」

遊佐(ゆざ)町で自然に近い環境で育まれた、旨味たっぷりのパプリカ。一番人気の「舟形マッシュルームのピクルス」に一緒に入っているパプリカが美味しくて、もっと食べたいとの声から生まれたそう。マッシュルームのピクルスは大人向けの味付けになっていますが、こちらはお子さんにも楽しんでもらえるように辛みはありません。マッシュルームも入ってます。

「ミニトマトのhoneyピクルス」

リンゴ酢とはちみつ仕立ての甘酸っぱくてフルーティーなピクルス液に、湯むきしたミニトマトを漬け込んでいます。湯むきされたミニトマトは口当たりが良く、口の中でフルーティーなピクルス液がジュワッと広がります。見た目も可愛らしくて、お子さん人気ナンバーワンです。

「2色の桃の爽やかピクルス」

和ハッカの香りが爽やかな、デザートピクルス。天童市の特別栽培の桃を使用しています。果肉の白い桃と黄色い桃を使用していて、黄色い桃は皮をむいて、白い桃は皮付きのまま漬け込んでいます。白い桃はとても柔らかいので皮付きでないと身がぐずぐずになってしまうそう。食べ終えて残ったピクルス液は、ソーダ割りにして楽しむことができます。

「ぶどうと梨の白色ピクルス」

梨の風味とローズマリーの香りが爽やかなデザートピクルス。大粒でみずみずしいぶどうがとても贅沢です。こちらもピクルス液にフルーツのエキスが溶け込んでとても美味しいので、ソーダで割って楽しめます。

「ぶどうと林檎の紅色ピクルス」

大粒ピオーネにシナモンとクローブが香るデザートピクルス。赤ワインのように美しいピクルスです。こちらもピクルス液がとても美味しいので、ソーダで割って楽しめます。ピオーネをひと粒浮かべたりしたら素敵ですね。

以上、9種類のピクルスを今回お持ちいただきました。会場ではご試食もしていただけるので、ぜひ食べ比べてお選びください。

オリジナルのギフトボックスもご用意しています。どれでも3本お好きなピクルスをお選びいただいてお詰めします。贈り物におすすめです。

会期は12月1日(日)まで。日持ちするので、クリスマスに開けて楽しむこともできますよ。

 

「食と農を編集する」-山形食べる通信とbeni.-

2019年11月16日[土]− 12月1日[日] / 月曜・火曜定休

 

 

スタッフ:イイヅカ

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