平岡さんの作品との出会いはもう何年前なのかさっぱりわかりません。当時働いていた本屋で平岡さんの作品とグッズのお取り扱いがスタートし、いつも素敵な作品だなぁと眺めていました。新作が入るのを楽しみにし、作品が売れるとちょっとドキドキしながらお客さまにお渡ししていました。そんな平岡さんに2年前にお声がけをし、今回の個展「海辺のスケッチ」の開催が叶いました。平岡さんの作品をこれだけたくさん一度に見られるなんて、なんと嬉しいことでしょう。
平岡さんの作品のイメージは深い青の夜空や淡い色のグラデーションがきれいな空。本展ではそんな美しい空に加えて、彫り跡が白波のような穏やかな海や、夜空に浮かぶ月の光の道が映る海、平岡さんが砂浜でスケッチした海など、たくさんの海のある風景が並んでいます。
平岡さんの作品を見ていると、絵の中の音や空気を想像します。静かな夜や穏やかな朝、波の打ち寄せる音や風の音。近づいて見てみたり、ちょっと離れて眺めてみたりすることでも見え方が変わります。きっと窓のある部屋での朝昼晩でも見え方が変化することでしょう。
本展ではたくさんの方の元に作品が迎えられました。お部屋に飾られている姿をぜひ見てみたいなぁと思いますが、それは作品をお迎えした方の特別ですよね。直射日光はダメだけど、カーテン越しの柔らかな光が差し込む姿なんてきれいだろうな。
墨一色で刷られた作品もあります。本展のメインビジュアルになっている作品「海辺のスケッチ 2」は、平岡さんが数年前に真鶴へ出かけた時の思い出を4コマ版画にしたもの。4コマ目にも小さく平岡さんがいるのが可愛らしいです。墨一色の木版画は彫った線がでこぼこしていたり尖っていたりゆらゆらしている、木版画らしい彫り跡がよく見えて力強さを感じます。
「潮騒」という作品は原稿用紙に刷られていてそれがとてもかっこいい。平岡さんの新たな一面を見られました。「船と魚」も木版で刷った上から色鉛筆で紫を手彩色しているそうで、木目がしっかりと見えていてとても素敵です。縦長の作品というのも平岡さんの作品だと珍しいような気がします。構図がかっこいいですよね。
今回、手紙社から出されている平岡さんのグッズをいろいろとお持ちいただきました!すでに数の少ないものもあるので在庫が潤沢とは言えませんが、ウェブショップでも販売開始しましたので作品と合わせてご覧ください。
会期はいよいよ9月24日(日)まで。最終日24日は12-16時頃まで平岡さんが在廊予定ですのでぜひ足をお運びください!
平岡瞳
「海辺のスケッチ」
麦わら帽子をかぶって海辺に行きました。
波の音、遠い水平線、カモメの鳴き声、水面の光。
それらをぼんやり眺めていると、ふと描きたくなるのです。
期間
2023年9月9日[土]- 9月24日[日]/ 月曜・火曜定休
*9月18日(月・祝)は営業し、20日(水)は振替休日となります
*在廊日:9月9日(土)12-15時、18日(月・祝)12-15時、24日(日)12-16時
スタッフ:イイヅカ