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2023/05/03
清水裕貴
「海は地下室に眠る」

清水裕貴
「海は地下室に眠る」

 
百年生きたお屋敷は、どんな記憶を持っているだろうか。
神谷伝兵衛稲毛別荘に初めて足を踏み入れた時、何故だか懐かしいと思った。かつて風光明媚な避暑地だった稲毛の、旧海岸線に建つ和洋折衷の洋館。高度経済成長期に大規模な埋め立て工事が行われて、海岸線はトラックが行き交う国道になってしまったが、伝兵衛邸はまだ海水浴客の賑わいを覚えているような気がした。建物は、人間より遥かに長い時をかけて風景と向かい合う。私は洋館を巡る様々な過去の記憶と出会いながら、写真と言葉によって表現を試みた。

 

2023年2月、神谷伝兵衛邸の地下室で発見された絵画を巡る物語「海は地下室に眠る」(KADOKAWA)が出版された。本展は、この物語に関連する写真作品と絵日記で構成されている。
 
 
期間
2023年5月20日[土]- 6月4日[日]/ 月曜・火曜定休
*在廊日:5/20・5/21・6/3

展示レポート

作品のウェブショップ販売

 
 
exhibition 61
artist|清水裕貴
region|千葉市
1984年千葉県生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。土地の過去や伝説をリサーチしながら写真や物語を制作する。2011年1wallグランプリ受賞。2016年三木淳賞受賞。2021年、千の葉芸術祭参加。2022年、千葉市美術館「とある美術館の夏休み」展参加、PGIにて個展「微睡み硝子」開催。2019年『ここは夜の水のほとり』(新潮社)、2022年『花盛りの椅子』(集英社)、『海は地下室に眠る』(KADOKAWA)を出版。
 

 
この展覧会はKunitachi Art Center 2023に参加しています。
詳細は特設サイトをご覧ください。

 

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