高嶋 英男 『鰹節彫刻』
2020年2月22日[土]– 3月8日[日]/ 月曜・火曜定休
◎作家在廊日:3月5日・7日・8日
近年、私は密かに鰹節を使って色々な「かたち」を彫りだすということをしている。
そしてそれを「鰹節彫刻」と呼んでみることにした。
鰹節にはとても興味深い造形性、視覚性がある。食品として異常なまでの硬さを持ち、表面の質感も含めそれはまるで古い家屋の柱の破片や民芸品のようなものにも見えたり。
長い時間をかけ「保存」のために極限まで硬くなるという進化をとげ、古木のような色、形となった鰹節。しかしそれをひとたび彫刻して作品として展示しようとすれば匂いやカビなど時には「展示」という形式から取り扱いの難しい存在にもなってしまう。
彫刻と工芸の間にあるもの。美術と見なされるものとそうじゃないもの。展示出来るものと展示出来ないもの。人は案外そういったことに無意識に線引きをしている。しかしその境界は実は曖昧なものでもあったりする。いろいろなものの間に存在する「鰹節彫刻」。そんな「あいまい」さにもまた魅力的に感じる自分がいる。
【ギャラリートーク】
ゲスト:神山 亮子(府中市美術館 学芸員)
日 時:3月7日[土] 18時00分 – 19時30分
参加費:1,000円(1ドリンク付き)
定 員:20名(予約優先)
ご予約はメールにて承ります。件名に「ギャラリートーク参加希望」、本文にお名前・電話番号・人数をご記入の上、info@t-museumshop.comまでお送りください。
府中市美術館 「公開制作77 高嶋英男 からっぽに満たされる」
2019年12月14日[土]から2020年3月1日[日]まで開催中。
exhibition 28
artist|高嶋 英男
region|府中市(東京都)
1981年東京生まれ。東京芸術大学大学院彫刻専攻修了。人の身体を型どりした人型を用い人物の特徴を現実、虚構、織り混ぜてインスタレーション化する作品や、本来注目しない花瓶の口の空洞部分を顔に置き換えた人型の陶器、鰹節を使った彫刻作品など、日常の周辺にあるイメージを拡大、反転させながら作品化している。